富裕層の間でよく使われていた節税の一つが、いわゆるタワーマンション節税でした。
6月30日、国税庁がマンションの相続税評価額の新たな算定方法を設けることが分かりました。
新しい算定方法が導入されれば、タワーマンションを使っての節税は難しくなり、実質的には富裕層の課税強化となりそうです。
新しい相続税評価についてざっくりとご紹介しておきましょう。
ステップ1として、従来の「相続税評価額」が実勢価格とどれだけかけ離れているか(乖離率)を算定します。
この乖離率が1.67倍未満の場合(従来の評価額が実勢価格の60%以下の場合)は、従来の評価額で評価します。
しかし、この乖離率が1.67倍以上となった場合は、実勢価額×60%で評価することになります。
タワマンを使っての節税がなぜ可能だったかというと、都心部のタワマン(特に高層階)の相続税評価額が実勢価格より著しく低いことを利用し、相続発生前にタワマンを購入することにより相続税を低く抑えることができました。
都心部ですと相続税評価額を実勢価格の3割程度まで圧縮できるケースもありましたので、近いうちに課税強化されるだろうと言われていましたが、この度、ついにその具体的な案が示されました。
早ければ2024年1月から適用される見通しです。
これから相続対策として保有していたマンションを売却する動きも出てくるでしょう。
不動産業界は少なからず影響を受けそうです。